合奏の本番がまだ先だと聞いたから、少し丁寧に教えることができそうだ。
僕自身は高校で合唱指揮をやったときに、誰も教えてくれる人がいなかったから、指揮を独学で勉強した。
音楽教育といえばピアノを少し習っただけだった。
絶対音感もなければ、相対音感も危うい。リズム感もひどいものだった。
そんなで指揮者がまともに務まったわけではなかったが、人一倍勉強した。
やったことといえば、こんなことだ。
- 合唱団
高校の合唱団とは別に、合唱の練習を実地で学ぶためにフロイデ合唱団というアマチュア合唱団に入った。朝比奈隆先生のベルリオーズの『ファウストの劫罰』関西初演の舞台に立った。合唱指揮は、外山雄三先生。合唱副指揮者は亀井正比古先生だった。朝比奈先生の合唱リハは忘れられない想い出だ。 - 指揮法
書名は忘れたけど、指揮法一般の教則本と合唱指揮の実践的ノウハウの本を使って勉強した。 - 和声学
『和声学第1巻』 --- パウル・ヒンデミット他/音楽之友社
『和声―理論と実習 (1)』『同(2)』 --- 島岡譲/音楽之友社 - 対位法
対位法』 --- 長谷川良夫/音楽之友社 - 音楽史
『合唱音楽の歴史』 --- 皆川達夫/全音楽譜出版社
大阪駅前第2ビルにあるササヤ書店という楽譜・音楽書の専門店に入り浸ったものだ。専門書の部類だから、高校生が普通の勉強で使う本の2〜3倍くらいの値段はした。
どの本を選んだらよいか分からないながら、時間をかけて選んだものだった。なぜヒンデミットの教本を選んだか良く覚えていないが。
今考えると、あれくらお金と時間をかけるなら、指揮法の教室を探してレッスンしてもらう方がよかったかも知れない。和声や対位法の演習をやっても、チェックしてくれる先生はいない。そこまでの行動力がなかったのが悔やまれる。
随分非効率なことを手当たり次第にしたものだと思う。結局、高校の合唱団ではほとんど報われなかった。
それでも、おかげで、人とは違う音楽の楽しみ方ができるようになった。こうして子供に指揮の手ほどきくらいは出来る。
のだめカンタービレは、自分とは違って才能のある人の話だが、感慨深く見てしまう。音楽性の低い自分でも指揮者の経験を持てたのは、人生の宝だとつくづく感じながら。
千秋真一役の玉木宏さんは、1回目より2回目が明らかに上達している。
まだ右手と左手が独立していないし、曲想に合せた振りにはなっていないが、うちの子供より上手に振っている。実際にオケを指揮しているのは別の人だろうけど、振りだけはきっと、プロの指揮者から手ほどきを受けているのだろう、そこが羨ましい。


『合唱指揮教本1』 --- クルト・トーマス/音楽之友社